ふるさととは遠く離れた生活を長らくしていたために、葬儀では知らない人ばかり。
親戚の顔すらも覚えていない俺ですが、姉が地元に根付いているためになんとか喪主をやりきりました。

父はひとえに地域のために尽くした人生でした。
世のため人のためを第一に考える人でありました。
一方で逆境に力を発揮する炎のような闘志の人でもあったのですが、それは身内の一部が知るばかりで、あまり表に出さない人でした。

葬儀が終わり、家の片付けをして、近くの海辺を歩きました。
11月とはいえ、風は耳が痛くなるほどの冷たさ。
ダウンジャケットのフードをかぶって見つめる海の穏やかなこと。震災でいまも帰らぬ人がこの海にはいらっしゃるのだなぁ、と思うとさらに切ない気持ちになります。

家に帰り、遺産相続の輪には入らないことを伝え、逆にまとまったクレカ現金化しました。
天涯孤独に一歩近づき、一文無しになりました。
それでも、きょうの海のように心は穏やかなのです。
おそらく、父も同じようにしたでしょう。
父と俺の立つ場所は常にスタートラインなのです。また、一歩一歩すすむのみです